大阪極カレー
極上の素材との出会いのSTORY
極上の大阪産(もん)が結集!
泉州たまねぎ
カタシモワイン
大阪ウメビーフ
なにわポーク
堺 鷹の爪
極上の大阪産(もん) その1
努力家のタマネギ [泉州たまねぎ]
実は、大阪南部・泉州は、日本タマネギ発祥の地。明治時代より栽培されています。有名な淡路島タマネギも、元は大正時代に泉州から伝わったものだそう。
大阪極カレーには、そんな泉州で10代続く射手矢農園さんのタマネギを使用しています。
水分が多く甘みがあって肉厚で柔らかいと、たくさんの料理人に支持されているタマネギです。
どんなところで作られているのかと、15ヘクタールという広々とした農園にお邪魔しました。畑で迎えてくださった射手矢康之さんは、日焼けした顔で、開口一番、
「まずは、かじってみてください」
と、大きなタマネギを1つ、ヒョイヒョイと皮を剥いて差し出してくれました。
太陽の光を反射して輝く真っ白なタマネギ。ガブリとかじると、ジュワッと汁が口いっぱいに溢れます。めちゃくちゃ甘い!
「化学農薬と肥料は使っていません。化学的に加工して作られた化成肥料は、ヒトにとってのサプリと同じで、食べることに楽をすることになるんです。有機肥料だと、自分で栄養をつけようとする。努力するタマネギが甘くなるんですよ」と射手矢さん。
「努力するタマネギ!」面白いワードですね。このタマネギの甘みを、絶対生かしたい!と思いました。
極カレーの甘さは、砂糖や添加物ではなく、この射手矢さんの“努力家のタマネギ”の甘みなのです。
極上の大阪産(もん) その2
まろやかな酸の余韻 [カタシモワイン]
たこ焼きに合うシャンパン「たこシャン」でブレイクした『カタシモワイナリー』さん。
現社長で4代目の高井利洋さんの曾祖父が、明治時代に河内・堅下の斜面を開墾して、大阪葡萄の黄金期を築いたそうです。
大正時代にはワインの醸造に成功し、以来、日本人の味覚に合うワイン作りを目指してこられました。近年は、国際的なワイン・コンクールで次々に受賞。大阪産ワインの名を高めています。
大阪平野が一望できる山の斜面に広がるぶどう畑では、4代目の高井社長自ら、ぶどうの花を1房ずつ丁寧にせん定しておられました。
素晴らしい環境と、心を込めたぶどう作りから生まれる大阪のワインの魅力を実感。
さまざまなカタシモワインを買い込んできて試飲し、カレーとの相性を探りました。そして、酸化防止剤無添加の日本固有種・マスカット・ベーリーAぶどうを使用した甘口赤ワインを選びました。
ソムリエがよく「エレガントな酸」という言葉を使いますが、大阪産マスカット・ベーリーAのまろやかな酸に魅せられたのです。
レトルトカレーは110度で加熱殺菌しますので、香りは飛んでしまいますが、ワインの余韻として感じるまろやかな酸は生きています。
その優しい酸味が、カレーの中で、タマネギの甘みとお肉の旨みを軽やかにまとめる役割を担ってくれます。
極上の大阪産(もん) その3
SDGsな都会の牛肉 [大阪ウメビーフ]
「原野牧場」さんは、ビックリするような堺の街中の、静かな住宅地の中にあります。
本当にこの辺りに牧場が?と、初めて訪れた時はなかなか見つけられなかったほど。牛が100頭近くいるはずなのに、鳴き声もニオイもないのです。
「ここは元々、牛市場だったんです。住宅は後から出来たんですが、気を使ってます」と、牧場主で4代目の原野祥次さん。
創業は明治25年。農耕用に但馬から仔牛を買い付け、大阪・神戸の農家に斡旋し、成牛になると食肉業者に販売する家畜商として始まったとか。
「昔で言う馬喰(ばくろ)という仕事ですわ」。
昭和40年、耕運機が普及したため、肉牛の肥育を始め、1993年に黒毛和牛を中心に転換したのだそうです。
現在は1000坪ほどの牧場に96頭の牛が飼われています。
牛舎を案内してもらうと、牛たちは本当に大人しく、好奇心旺盛で、柵の前まで寄ってきます。「お客さんが珍しいんですね」と原野さん。
ここにいるのはほぼ全部去勢されたオス。メスの未経産牛が良いと聞きますが、「メスより大きく育つし、ウチのは肉質も柔らかくて美味しいですよ」と原野さんは自信を持っておられます。
「抗生物質や添加物を一切使用してません。エサは滋賀県の飼料用トウモロコシや小麦などほぼ国産の穀物。それに、堺の和菓子屋さんから、あんこを作った小豆やインゲン豆の皮なども。有名な『福寿堂秀信』さんや、いちご大福で人気の『一心堂』さんのあんこのカスとかも、うちの牛がいただいてるんですよ」
さすが千利休のふるさと・堺の牛さんは和菓子の味を知ってるんですね!
「学校給食のパンののこりなども食べてくれます。都市型畜産のSDGsです」と原野さん。
さらに、ここの牛たちは、チョーヤの梅酒の漬け梅を食べているのです。
「南港市場の牛肉と比べて、うちのウメビーフには、ビタミンEが1.5倍近く含まれているんです」。
テレビコマーシャルでもお馴染みのチョーヤは大阪・羽曳野に本社があり、梅酒になる漬け梅が大量に出ます。その消費の1部を原野さんの牛たちが担ってくれているのです。
大きな樽に入った漬け梅を見せてもらうと、本当に美味しそうないい匂いがします。
「牛にとっても美味しいらしく、ヨダレが盛大に出ます。消化酵素が体に良いので、朝晩のエサやりのとき、前菜としてあげています」。
1日120㎏の梅を100頭の牛たちで食べつくすのだそうです。
「松阪牛がビールを飲ませたりしていますね。アルコールは肉質を柔らかくするようだし、気分がちょっと落ち着くみたいですよ。あ、酔っぱらいませんよ」と原野さん。
メガとかギガファームと呼ばれる大規模牧場では機械化されているエサやりも、原野さんと息子さんが手作業でされています。
優しく世話をされて、美味しい“前菜”付きのご飯をもらって、すくすく育ったウメビーフ。生産量は年間40~50頭と、極ごく少量で、ほとんど流通していません。この幻のウメビーフのあっさりと優しい美味しさを、極カレーの中で生かしたいと思いました。
レトルトカレーに使われるのは初めてという希少なウメビーフ、大切に使います。
極上の大阪産(もん)その4
まろやかな豚肉 [なにわポーク]
『長瀬畜産』さんもまた意外な景色の中にあります。こちらは東大阪の町工場に囲まれていました!「昔は、養鶏と養豚、ヤギなどを飼う家ばかりだったらしいんですけどね」とは、牧場主の良川視鉄(よしかわ してつ)さん。
長瀬畜産の創業は昭和41年。「うちの父親とお兄さんたち3兄弟で始めた牧場です。自分は継ぐのがイヤで野球やゴルフをやってたんやけど」と仰る当代の良川さんは元プロゴルファー(!)で、40才のとき家業を手伝い始めたのだとか。
「昔は親戚一同を養うため、とにかく豚を大きく育てることに注力していたのが、犬鳴ポークさんに出会って、『これからは量より質』と教わって」方向転換。1000頭を600頭に減らし、健康的にストレスのない環境で育てているのだそう。
豚房(とんぼう)と呼ばれる柵の中をのぞくと、わらわらと寄ってきました。何て愛想の良い豚さんたち。
愛知県の契約農家から生後3ヶ月30-35㎏の子豚を買い、3ヶ月半~4ヶ月掛けて110㎏ほどまで育てるそうです。
「エサ? うちは合成飼料をなるべく使わず、酒蔵の酒米の削りカスやパン屋さんから来るパンの耳、うどんなど残渣もやります」。
人間が食べるものがほとんどですね。そして、こちらでも、チョーヤの漬け梅もあげているそうです。
年間1800頭を出荷。規模は大きくないので、市場ではほとんどお目に掛かれませんが、東大阪のふるさと納税品にも選ばれているそうです。
お味の方は、優しい旨みと甘みがあって、さっぱりとした脂が美味しい!いくらでも食べられる豚肉です。
このなにわポークが、極カレー第2弾のまろやかさの決め手です。
極上の大阪産(もん)その5
フルーティーな一味?! [やまつ辻田の堺 鷹の爪]
赤いトウガラシは全部、鷹の爪と思ってませんか? 恥ずかしながら僕はずっとそう思っていました。ところが“鷹の爪”は、何百もあるトウガラシのうちの1品種なのだとか。しかも、鷹の爪という名で流通している99%が外国産の他品種で、国産純粋種は絶滅危惧種なのです!
というのは全部、大阪・堺にある和風香辛料の老舗『やまつ辻田』さんで教わったことです。
今回、極カレー第2弾に合うスパイスを探す中で、大阪に素晴らしい香辛料の老舗『やまつ辻田』さんがあることを知りました。
旧高野街道沿いに旧家の佇まいを見せる『やまつ辻田』さんを訪れ、香辛料のレクチャーを受けました。
迎えてくださった4代目・辻田浩之さんは190㎝の長身で、作務衣姿は武士を思わせるカッコイイ方! 事実、剣道7段の腕前で子どもたちの指導もされているそうです。
その口調は静かで丁寧。江戸時代の天才学者・平賀源内が鷹の爪を絶賛したこと、ほかのトウガラシとの違いを分かりやすく解説してくださいました。
「鷹の爪は、辛みも香りも品が良いから、食材の味や香りを汚さないんです」と辻田さん。
そんな素晴らしい鷹の爪がほとんど姿を消したのは、「収穫の手間が掛かる上に採算が取れないから、栽培をやめる農家が多かったんです」と。
そんな中、明治35年から和風香辛料を製造販売してきた辻田家では、地元の名産品だった鷹の爪の種を100年以上大事に継承されてきたのだそうです。
そしてその価値が、ついに公に認められました。2021年大阪府により「なにわの伝統野菜」として承認されたのです。
その貴重な鷹の爪を始め、山朝倉山椒、実生柚子など、辻田さんの七味を構成する1つ1つの素材は全部プレシャス! それをいろんな形で味わい、香り、風味を検証させていただき、興奮と感動の時間を過ごしました。
ことに鷹の爪の大阪名産品としての歴史、国産固有種としての価値、文化を残そうという辻田さんの情熱を両手に一杯受け止めました。
「脂肪分と合わさると辛みが舌の上で和らぐんですよ」という辻田さんの言葉で、カレーの試作中に感じていた「不思議な相性の良さ」にも合点がいきました。辛みが立ちすぎず、豊かな味わいになるのです。
今回、国産純粋種の鷹の爪だけを使った一味を、特別に分けていただけることになりました。「国産の鷹の爪をカレーに使うのは初めてですよ」とのことで、光栄に胸が震えます。
貴重な鷹の爪の風味を最大限に生かしたくて、小袋で別添えに致しました。
まるでフルーツを思わせるような香りと鮮烈な辛みを持つ、なにわの伝統野菜・堺 鷹の爪とカレーの相性をお楽しみください。